パニック障害向け認知行動療法のやり方

 パニック障害は薬が有効な病気であると何度か書いてきました。パニック障害の代表的症状であるパニック発作を薬によって抑えるのが、治療の第一段階です。
 しかし、発作を薬で抑えても、根本的に不安を感じやすい性格の傾向など、心理的なものは治療することはできません。そこで、薬物療法と並行して行われるのが認知行動療法です。認知行動療法というのは、パニック障害が起こるしくみを理論的に理解し、決して死んだり気が狂ったりする病気でないと知り(認知療法)、そして、実際の行動でそれを体得していく(行動療法)治療法です。
 ここでは、パニック障害の方向けの認知行動療法のいくつかをご紹介していきましょう。

自立訓練法

 パニック障害では、「パニック発作が起こったら!」という目に見えない不安・恐怖が高まり、かつて発作が起きた場所へ行けなくなったり積極的に行動できなくなってしまいます。落ち着こう、落ち着こうと思うとかえって緊張し、不安に心が占領されてしまうのです。この緊張を、いわば自己暗示をかけてリラックスさせ、身体の筋肉を弛緩させて血液のめぐりをよくさせるのが自立訓練法です。
 パニック障害を持っていても、深く腹式呼吸をして、緊張から早くなっている呼吸を落ち着かせ、リラックスさせることで落ち着きを取り戻し、気持ちをしずめるように訓練する認知行動療法の一つです。

認知行動療法

 パニック障害の患者さんには「悲観的にものごとを捉える」「根拠なくものごとを断定する」「ものごとを自分の感情のみで決めがち」という傾向が見られるといわれています。つまり、エレベーターの中でパニック発作が起こった場合、エレベーターと発作には直接的な関係はないのに、それを結び付けて「エレベーターに乗ったらまた発作が起こる」と思い込んでしまう傾向があるわけです。
 ですから、パニック障害の患者さんに対して繰り返しカウンセリングをすることで、この誤った認識を正し、実際に行動してもらって自分の認識が誤っていたことを感じてもらう治療法が認知行動療法です。これは、薬物療法と並行して行えばパニック障害の治療に有効だということがわかっています。

暴露療法(エクスポージャー)

 パニック障害の方は、例えば電車に乗っているときにパニック発作が起こったとすると、これからも電車に乗るたびに発作に襲われるのではないかという不安と恐怖にとりつかれてしまいます。けれども、実際は、「電車に乗る」という行為と「パニック発作が起こる」という現象は何ら関係のないことなのです。それをパブロフの条件反射のように結び付けて思い込んでいるところを、パニック障害の患者さん自身に実際体験してもらうことによって相互関係がないことを実感してもらうのが暴露療法です。
 要するに、パニック障害の方に実際電車に乗ってもらって発作が起きないということを体験してもらうわけで、少々荒療治ではありますが、段階をおって専門家と治療していけば、パニック障害への効果は高いといわれています。

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